2019年06月02日
泡瀬漁港の朝景
窓から眺める夜明前の空が美しかった。
ふと漁港が脳裏にふと浮かんだ。カメラ
と取り敢えず必要なものを急ぎ準備する。
カメラの予備のバッテリーは充電してい
なかったかも知れない。まあいい。
小銭はバックか車のどこかにあったはず。
よくあることはどうにかなる。
朝陽が昇る方角を確認しながら車を走
らせ、行き先の泡瀬漁港のイメージを
あれやこれや描く。
漁港のはずれの廃船。何年も前から
ある。
操舵室の壁に朝陽が当る。
撮る位置を移動。朝陽を画面から
外し空を広く組み入れた。
別の廃船。二つの廃船が前後に
傾いて並んでいる。
朝陽の高さをどうしようか迷う。もっと
昇るのを待つか?しかし昇りすぎると
輝きが増し形が崩れる。
少し低いアングルからだと少し高めに
朝陽を持ってくることができるが、廃船
のシルエットの美しさが失われる。
撮影している道路を通る背中の車に
も気をつかいながら、背伸びしたりし
ゃがんだり廃船のシルエットを確認し
ながら撮った。
よどんだ海。船影がゆったりと揺れ
動いていた。操舵室のガラス窓の
輝きも美しい。
朝陽はかなり高くなった。撮るのは止める。
漁港内を歩きながら被写体を探す。
浮き標識のブイの揺れ動く旗影の反映。
船のカラフルな波紋も一緒に。
「令和」を見つけた。
漁港はいい。朝、昼、夕と絵になるいい
被写体が豊富だ。
幾つかの漁港のそれぞれにイメージ
が浮かんでくる。
毎日通うことができる地元の方なら、
もっといい情景をきっと知っていること
だろう。
遠い場所の漁港やマリーナだと、地
の利はうらやましい。
寂しいのはあのサバニをもう見かけ
なくなったこと。