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2017年08月19日

あめんぼう

あめんぼう



      あめんぼうすいすい泳ぐ浮き世かな     (片雲) 
       


  


あめんぼう



       あめんぼうも木陰に寄る暑き夏       (片雲) 






あめんぼう


      夕暮れの小雨に似たり水すまし    (子規)    
  



     

   県総合運動公園レクレーションプールの北側に池がある。以前は海の
   一部であった。今は海側の砂浜に砂が積もり、さらにその上にモクマ
   オウや雑木が生い茂って海とは閉ざされた雨水の池となっている。
      
   池の周りは、公園内の散策路沿いに4~5mの高さの樹木が取り囲んで
   いて池は見えない。池にも丈の高い水草が多く生えて池の面全体も分り
   にくい。   
  
   池の中に頭を突っ込むように一本の枯れ木が倒れている。
   池の面に雲を浮かべた青空が映るとき、その倒木が絵になる光景になる
   ことがあるので、それを見たさに池の淵に下りて覗くことがある。

   さる7月下旬、池を覗いたとき無数のあめんぼうが水面に群れていた。
   俳句に添えた写真はその時に撮ったものである。

   川や池あるいは溝の水溜まりなどいろいろな水面で見かけるあめんぼう
   であるが、せいぜい数匹程度。このように多くのあめんぼうが一カ所に集
   っているのを見たのは初めてでびっくりし嬉しくなった。

   天はすばらしい贈り物を準備していた。池の底は泥であるが水は澄んで
   いる。あめんぼうが進むと水の輪がいくつもできる。カメラのピントの合わ
   せ方に迷ったが、なんとかピンボケすることなく撮れた。

 

あめんぼう

    朝の光や空の様子、撮影角度・位置によって倒木の影が変化し
    いい絵ができる。
    サギ類も見かけるが、人の近寄る気配ですぐに飛び去ってしまう。
  



あめんぼう



    あめんぼうは水面張力を利用し水面に立ち自由に移動する。
    そのスマートなかわいさと忍者のようなかっこよさで子供たちから
    大人までの気を引く身近な小生物。
    
    肉食性で水面に落ちた昆虫など狙う。水面波の感知で獲物の位置
    を把握するという。蜘蛛が張り巡らす糸の網の役割を、あめんぼう
    では水面が果たしている。

    あめんぼうがいる水面を軽く揺らしたときできる波紋にあめんぼう
    が近寄ってくるのも蜘蛛に似ている。ここまで書くと、あめんぼうを
    相手に遊んだ忘れていた昔を思い出した。


    俳句では水すましの名で詠んでいる句が多い。
    5・7・5の短い言葉の世界では実際の体験がないとイメージが
    つかめない。水溜まりや池の面を打つ雨の写真を撮っていたとき
    の印象から、絵が浮んでくる正岡子規の句が気にいった。


    夕暮れの小雨に似たり水すまし  (子規)


  




   池の場所の地図であるが、「地図」の表示では池の形は正確ではない。
   「航空写真」での表示が現在の状況。
   





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Posted by 流れる雲 at 15:30│Comments(0)フォト俳句
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