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2016年11月01日

残波の波

残波の波


    窓から強い風が吹き込んできた。外を見るとかなり風が出てきていたので残波岬の
    波が心にかかりカメラと水筒を準備して出かけた。
 
    岬の駐車場で車を出たとき、小雨が降ってきたと思ったら波しぶきだった。かなり強い
    風が吹いている。潮騒はあまり聞こえないが、波しぶきは駐車場の方まで飛んできた。
  
    観光客はまだら。天候が悪く強い風のため灯台に上がることは出来ない。断崖を吹き
    上がり強い横なぶりの雨のように波しぶきが飛んでくるので、観光客は灯台の下まで
    行っても直ぐに引き返していた。


    夕刻になるにつれ風は強まり、波は激しく打ち寄せ岩を打ちしぶきを吹き上げる。
    岩場に立ち、波しぶきからカメラを守りながら次々と寄せてくる波を撮る。
    カメラのボディーを包むタオルを持ってこなかったことを悔やむ。    

    レンズは直ぐに波しぶきを受け曇るので、ピントもなかなか合わない。1回撮るごとに
    レンズを拭く(ティッシュは携帯に便利な個別包装のクリーニングティッシュを使う)。
    拭いている間に、素晴らしい波が打ち寄せる。逃がした魚は大きい。

    どの波を撮ろうか、右、左、前方と目移りする自分を戒めカメラを一カ所に集中する。
       強い風が吹くと大きなうねりの波が立つ。その波を眼で追い打ち寄せて来るのを待ち、
    これだというタイミングでシャッターを押す。シャッターを半押しをしている指が波を待
    ちきれず押してしまうこともある。腹が立つが自分の指なので仕方がない。
    
    大きなうねりの波は続いて押し寄せるのでチャンスが続くが、前の波のしぶきが消え
    るまではカメラが潮をかぶらないようにしなければならないため、後続の波を逃してし
    まう。海中用の防水カメラなら大丈夫なのだろうか、買いたいなあとときどき思う。


    残波岬の琉球石灰岩の岩場は、風雨に削られ無数の尖った小さな岩山のつらなり。
    転んでしまうと怪我をする。今はコツをつかみある程度早く歩けるようになった。
    1,2,3のリズムで足を置いていく。3の着地の岩は2の着地で支えきれない体を立
    て直すために必要。どのあたりの岩にするか目星を付けておくことが大事だ。

  
    岩場を移動し2カ所で撮影。夕陽が日没時刻前に雲に隠れ、当たりが暗くなり写りの
    色合いが変わってきたので終了する。相変わらず風は強く波は怒濤となって打ち寄
    せ白く高く舞あがり散る。 
 
    後ろ髪を引かれるが、オートに頼るまだ未熟なカメラ技術では露出を適時変えながら
    暗いなかで撮ることは出来ない。
    久しぶりに夢中になった時間を過ごした。帰りの車は懐メロになる。昼飯を食べてない
    ので腹が鳴るが満足だ。
    


    外に出れば空に目をやり雲の様子を眺める。海を見れば白波の立ち具合を窺う。
    何故、空の雲や怒濤に心を惹かれるのか。はっきりしていることは怒濤や雲の形を
    美しいと眼が感じ心が感じていること。常に風景を絵の構図で切り取って見ている。
    「心」を支えるアートは生きる力になると、あの有名な日野重明先生は言っている。

    美しいと感じたものを撮り夢中になる時間の充実感。カメラは片時も放せない。
    鏡に映る顔を見るならば時間は無駄に過ごせない。



    人生の波について、フレッド・アラン・ウルフという物理学の先生が『大きく考えるための
    小さな本』(竹内薫 訳)で次のように教える。

            人生は、ときどき混沌としているように思われるかもしれない
            けれど、ホントはそうじゃない。人生は、大きく波打っていて、
            僕たちはその波頭にとらえられている。
  
            その波をコントロールしようとすれば、僕たちは泥沼の闘いに
            引き込まれる。その波をやり過ごして、生き延びようとすれば、 
            僕たちはたちまち血祭りにあげられるのだ。

            でも、もう一つの選択肢がある。人生の波の動きの法則をつ
            かんでうまくんで、うまく波乗りをする術(すべ)を教わればい  
            いのだ。


    残波岬の波も怒濤も同じだ。  

    
    
       

残波の波
     灯台の西側岩場にはサーフベンチが在る。
     風が強いとサーフベンチに波は大きくうねり巻き打ち寄せしぶきを散らす。
     

残波の波



残波の波



残波の波



残波の波



残波の波



残波の波



残波の波



残波の波



残波の波
      ホテル前のビーチ沖のリーフ先端にある黒岩。(下から2番目の写真を参照)
      リーフのため黒岩の周りは風が強いと荒波が立つ。岸から遠くにあるので300ミリ
      いっぱいで撮影しトレミング。好きな被写体で良く撮るが、遠いうえに夕方は逆光
      になるため明瞭な色の波が撮れず常に不満足になる。使える写真はなかなか撮れ
      ていない(一番下の写真)。

    

残波の波
     灯台の西側すぐ下。観光客がよく写真に撮る場所。
     波しぶきと風を避けて岩陰に座ってカメラを岩に固定し撮影。一波ごとに形を変えた
     波しぶきが舞い立ち時間の立つのを忘れさせる。
       

残波の波
     風が少し止む。黒い雲に覆われた東や西空と違い、北の空は染まりはじめた雲の間に
     青空が見えていた。


残波の波
      雲が多く、早い風に乗って北から流れてきた雲が沈んでいく太陽を隠した。
      

残波の波
      上の写真の中央の岩がこの写真の岩である。逆光時はこの雰囲気になる。
      荒れてない天候の日没時は、雲の条件が良ければきれいな写真が撮れるのだが。




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Posted by 流れる雲 at 11:35│Comments(0)波・怒濤
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