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2019年03月09日

今帰仁城趾のツワブキの花(2)

 
  桜の名所の今帰仁城趾、冬のツワブキの花もまた
  素晴らしい。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  参道沿いは葉の落ちた桜の木が多い。

  春を待つその桜の木の下でツワブキが群生し花
  を咲かせている。


 

今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  ツワブキの花を楽しむには参道から旧道(グスク
  時代の本道)に下りる。

 

  ツワブキを撮りに行ったのは昨年の12月上旬。
  ツワブキは冬の花。花は11月頃から2月頃まで
  咲く。花の見ごろ撮りごろは12月という。

    


今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  ツワブキの花は石蕗の花と漢字を書く。
  石の路に花咲く草。今帰仁城趾の桜の木の下で
  古生代石灰岩の上に花を咲き誇らせている。



     野面積み崩れしままに石蕗の花
 
 



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  
     このくらいの日陰でいい石蕗の花


  葉を落とした桜の陰は適当な日当たりもある。
  旧道のあたりはツワブキのいい環境なのだろう。  
   
 


今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  この旧道でカメラを手に立ったりかがんだり、参道
  を往来する人影を待ったり、岩の足場をすべったり
  する。

 


今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  昨日雨があったのか。
  ツワブキの葉がしっとりとした濃い緑色をみせて
  いる。
    


     雨ふればふるほどに石蕗の花  (山頭火)

 


今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  この当たりはまだ5~6分咲きくらい。
 


今帰仁城趾のツワブキの花(2)




今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  花の上に蝶を見つけた。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  参道を行き交う人影を背景にカメラで追う。

      

今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  ここにも蝶。

  心のどこかに蝶のことを思い見慣れると、遠くの花
  の上の蝶でも見つけことについては上手くなる。
   



今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)



   桜の木の下で静かで明るい花を冬咲かせる。
  


      願はくは花のしたにて春死なむ
             その如月の望月のころ
   

   と西行は詠みその歌のとおりの死をむかえた。

   今帰仁城趾のツワブキの花もその生を桜の花
   の咲くしたに終える。

   


今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  旧道を下りていく観光客。カメラを手にしている。

  赤い色は好きだ。絵を引き締めるアクセントになる。




今帰仁城趾のツワブキの花(2)





今帰仁城趾のツワブキの花(2)

  
  参道をはさんだ旧道の反対側のツワブキの花。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  上に同じ。




今帰仁城趾のツワブキの花(2)
 

  大庭(ウーミヤ)に青いペンキのテーブルがあった。
  花が少ない画面をこれで構成した。


 
  参道を上ったどの郭もツワブキの花はとても少な
  かった。二枚だけ撮った。

  

  
今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  大庭(ウーミヤ)南側の北殿跡にある志慶真乙樽
  (シジマウトゥダル)の歌碑。
 
  歌碑の向こうにツワブキの花が見えた。



     今帰仁の城しもなりの九年母
         志慶真乙樽がぬきやいはきやい

                   (読み人しらず) 
                  

 
 
  ※ しもなり=霜成り。時期遅れの。
    九年母(クニブ)=みかん。
    志慶真乙樽=王の側室。今帰仁城の東南に
    あった志慶真村の出身で絶世の美女であった
    という。


   〔歌意〕今帰仁城(グスク)の王子は王の晩年の子。
   その王子を側室の志慶真乙樽が我が子のように
   身に抱いてかわいがる様よ。


  今帰仁世の主が歳老いてできた王子(千代松)。
  その正室の子の王子を乙樽が可愛がる様子を、
  時期遅れのクニブ(蜜柑)にたとえた琉歌である。



  王子の千代松については、「北山騒動」として
  次のようなことが伝えられているという。


  本部大主(モトブウフヌシ)が起こした謀反の最中、
  正室とともに志慶真乙樽は千代松を連れて志慶
  真門(グスク東南側の門)から脱出する。


  しかし、逃げ切れず正室は千代松を乙樽に託し
  志慶真川に身投げする。


  乙樽に抱え守られ落ちのびた王子の千代松。
  成長し名は乙春(おとはる)と変え、十八年後、
  旧臣たちを率いて今帰仁城に攻め入り本部
  大主を討ち取り城を奪還する。




今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  参道を見下ろす。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  猫の視線になり身を低くとても低くしてツワブキ
  の花茎を高くした。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  西空に陽がかたむきはじめる。
  見物客もとてもまばらになってきた。  




今帰仁城趾のツワブキの花(2)



     淋しさの目の行く方やつはの花 
                 
                 (大島蓼太)    



  たそがれの光がワブキの花を照らす。
  明るく華やかな花の黄色がさびしい色になる。
  

  風情のある情景の絵が描けるここは好きな
  撮影場所。




今帰仁城趾のツワブキの花(2)



    石蕗の黄に心せかるる何やかや 
                 
                 (阿部みどり女)    




今帰仁城趾のツワブキの花(2)



  猫は猫ののんびりと静かな黄昏の時間のようだ。
 


今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  こっちの猫も。




今帰仁城趾のツワブキの花(2)
  

  作業道具の置かれた側に鴉がいた。


  何か持ち去る物を探しにきたのだろうか。鴉は
  食べられない物(例えば石けん。たわし)でも
  咥えて飛び去る習性がある。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)

 
  ここ1~2年どこも鴉が多くなった気がする。
  ヤンバルは里に近い山路にも多い。
 



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  卸内原(うーちばる)の郭から東南の空に雪を
  かぶった雲の山脈が見えた。
   
   
  雲頂が高い。夕陽に染まるかも知れないと思った。
  しばらくその時を待つことにする。期待で心がうき
  うきと浮く。  

 

今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  やがて雲は赤く染る。
  絵のような美しい山脈となった。


  夕焼で染まるのは西の空だけではない。東の空
  の雲も染まる。


 

今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  西空も夕焼けの雲。




今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  木の梢をシルエットに夕焼けを撮るのは実に
  ひさしぶりだった。



  桜の花もツワブキの花も、どの城趾も山も毎年咲く。
  しかし、それぞれの年がそれぞれの年の様態を見せ
  て同じでない。だからまた撮りに行ける。




  付け加えたツワブキの花は、同じ日に海洋博記念
  公園で見かけた。


今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  シジミ蝶が二匹が一度にツワブキの花にとまって
  いた。

  腹ばってそっとそっと近づき逃げるな逃げるなと
  念じる。
  

  この蝶は今帰仁グスクでは見かけなかった。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)




今帰仁城趾のツワブキの花(2)




今帰仁城趾のツワブキの花(2)




今帰仁城趾のツワブキの花(2)


  花冠が丸いのを見つけた。



今帰仁城趾のツワブキの花(2)


 
  広い敷地の海洋博記念公園だが、ツワブキが
  群生しているのは見かけなかった。
  福木や路傍の藪の葉陰に数株静かに咲いてい
  る。





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Posted by 流れる雲 at 23:00│Comments(0)風景
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