2018年09月22日
美浜海岸

アメリカンビレッジのある北谷町美浜の海辺。夕暮れ時には
階段型の護岸周辺に人々が集まり憩う。
護岸下の波打ち際で米国人の息子と母親が犬と海に向かっ
て楽しそうに遊んでいる。

円盤のようなものを海に投げ犬に取ってこさせようとする。
何度か試みるのだが、泡を立てて押し寄せる波を恐れ、犬は
波に抗して飛び込んでいく勇気はないようだった。
たいしたうねりの波でもないが、少々臆病な犬なのだろうか。
懸命に海に飛び込もうとはするが・・・。白い泡波がおおい被
さってくると、海に尻を向け階段で休んでいる父親の方へ逃
げ寄る。
だが、息子も母親もそのような犬を無理矢理けしかけて海に飛
び込ませようとすることはなく夕暮れの海を犬と楽しんでいた。

護岸の北端に砂浜がある。人工ではなく自然に形成された
小さな砂浜のようだ。観光客の親子が何かを探しながらすご
している。やがて護岸から母親も降りてきた。
親子が去った砂浜に残されていた作品。横には作者の小さな
足跡が残っている。
夕日に照らされた砂浜の思い出。両親の愛情に包まれて育っ
た女の子が、砂に描いたハートの中に立てたサンゴの棒はそ
の子の年齢を表しているのだろう。沖縄をおとずれた5歳の
思い出の記念碑。


近くの護岸の上で写真を撮っていた外国人の男性が空を指
し「レインボー?」と、いきなり話しかけてきた。指さす北の方
を振り向くと虹のようなものが見えた。
虹ではない。幻日(げんじつ)か彩雲(さいうん)のどちらか。
太陽は左側で高さも同じ、色彩や光の見え方、太陽からの
距離からすると幻日のようだ・・・。
英会話は出来ないので説明ができない。「ノーレインボー」
だけは通じたようだった。
北の方の低い空に浮ぶ雲に現れていた。注意して眺めない
と見逃すほどだった。その男性から教えてもらうまで気付か
なかった。
美浜の北側対岸は、アパートやマンション、一般の住宅街
のある字港。アメリカンビレッジと違って、沖縄の光景を見
せる屋根の上空にたなびいていた雲が、ひときわ紅く夕焼
けに染まった。
海岸前の海は、隣の字港にある浜川漁港への入口になって
いる。漁から帰る船。
美浜海岸で初めて撮った夕日。雲に隠れようとする。
画面下の黒いものは沖に横たわる逆光の防波堤の影。
海面を照らす夕日の光の中にレジャー船(?)がやってきた
のを護岸の上から撮る。
湾の奥には、浜川漁港の向かいに北谷町漁業新港センタ
ーのレジャー船の船着き場がある。護岸前を往来する船は
かなり多いので夕日と一緒に撮れる。サンセットビーチでは
こうは撮れないのではないか。
夕日をどの場所からどのような構図で撮ったらいいのか、往
来する船以外に前景にできるものがないので迷う。事前に構
図探しができたらよかった。
砂浜から撮る。防波堤と同じ高さになり船が目立たない。防波堤のた
め水平線に落ちる夕日も見れない。
潮が満ちてきて波の寄せ退きが強くなった。波が退いた砂浜
の面に夕焼けの雲が映る。数枚撮ったがいいのは一枚だけ
だった。
防波堤の先端が見えるようにしたら、海が開放的になり画面に
変化が出た。
女の子が残した記念碑はどうなっただろうか。
思い出の作品のあった場所には絶えず波が打ち寄せている。
波は子供、
手をつないで、笑って、
そろって来るよ。
波は消しゴム、
砂の上の文字を、
みんな消してゆくよ。
波は兵士、
沖から寄せて、一ぺんに、
どんどん鉄砲うつよ。
波は忘れんぼ、
きれいなきれいな貝殻を、
砂の上においていくよ。
ーーー詩:金子みすゞ 「波」
波に飽く。船も来ない。防波堤の先端の海中に一本の杭がある。
出入りする船の航行のための標識だろうか。この杭を左隅に配置
して画面のバランスをつくり夕焼け雲の浮ぶ空を広く取った。
美浜の海岸から眺める西の海は単調な光景。前景もなく夕日を
撮るなら夕焼け雲の量や形が大きなポイントだろう。
美浜海岸で夕日を撮った感想・・・・を言うのは難しい。
次に撮るときは、昼の時間に構図が作れる場所探しを十分
にしておこう。そして雲。
夕日では少々不満足感が残る。たが、夕日以外ではある
程度いいものが撮れたと思う。
美浜は、どのように撮ればいいのか楽しみの被写体が多
い魅力的な街であることに変わりはない。
観覧車。黄色い箱がひとつあるのが目についた。
アクセントになる黄色の箱と、画面の右から左にゆっくりと
流れてくる雲とのいい組み合わせを狙った。
なかなかタイミングが合わない。黄色の箱はひとつだけな
ので狙った位置まで回転してくるのに時間がかかる。
そのうち雲は流れていく、形も変わる。撮る興味も失せた。
観覧車は美浜のシンボル的な存在。観覧車の絵も雲が
ないと退屈で、ごちゃごちゃしたものになる。
撮っていると交差点の上に四角に張られた電線が気に
なった。何の電線だろう?
ボクネン美術館の裏の壁の一角。映画「ハリーポッター」に出て
きそうな建物の雰囲気を感じた。
花(ハイビスカス?)と白壁との組み合わせが気に入った。壁に
生える樹木の伸びたひげ根もいい。
海岸に向かうときに通ったビレッジの建物内の通路。
床のタイルが美しかった。通行人の来るのを待って撮った。
2枚撮ったが、時間を感じさせる人物のブレがある方がいい
雰囲気が出て良かった。
海岸エリアの1群の建物のカラフルでどこか落ち着いたしぶい
色彩の壁。この角度から最も絵になると思う。
夜の光景は店の灯りやネオンそして街灯の灯りで、さぞ美し
いことだろう。
まだ明るいが街灯が点いていた。建物以上に街灯は異国情緒を
感じさせる。後方の西洋風の建物を取り込んだ構図で撮ろうと思
った。
しかし、街灯の両サイドにある街路樹の椰子の葉が、どうしても画
面に入ってしまう。街灯の頭の角を切り落とし、建物の下部を切り
捨てなければ、縦横どの構図でもフレーミングできなかった。
ヒルトン沖縄北谷リゾート前の湾になった海岸。積雲が連な
って横たわる光景が素晴らしい。
護岸北端の突堤のコンクリートの隙間に生えたススキの穂
が風にゆれていた。
低いアングルからススキの穂を前景にし季節が感じられる
ようにした。
日中はかなり暑いがもう秋なのだ。ススキの穂は教える。
薄の穂ゆれて美浜の秋を知る
季語が二つになったが、まあいいか。