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2017年10月30日

残波の波(7)

残波の波(7)



  海原を吹き渡る強風が波濤をおこし断崖を叩きつける。
  波濤は雪のように白く砕け波飛沫が高く舞い上がり、
  断崖の上に吹き上げられた飛沫は遠く流れ飛び暴風雨
  のように後方に降る。

  残波岬の雄壮な自然の光景。胸は高鳴り心は躍る。



残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)




   台風21号が大東島を暴風域に巻き込み沖縄本島の東
   海上を抜けていった10月22日の午後の残波岬。

   海上の風速は25m。波高8m。風向き北西→北の新聞
   情報。雨の確率は60%だが曇天で雨は降っていない。

   高波が断崖を超えて灯台を襲っていた。これまで見たこ
   とがない。以前から撮りたいと思っていた残波の断崖を
   襲う波濤が今日は撮れると期待が膨らむ。


   岬へは立ち入り禁止の柵は閉じられていなかった。
   アジアからの観光客がかなり多い。頭上にふりかかって
   くる波飛沫を避けて逃げたり強風に飛ばされないように
   脚を踏ん張る姿も見られる。

   怒濤にスマホやカメラを向けている観光客も近くからの
   撮影はなかなか難しいようだ。
 
   
 
残波の波(7)

  残波岬灯台の西側。
 

  先ず、よく波を撮っている灯台の西側の岩場へ観光客の
  間を抜け行った。北風で波をもろに被る心配はないが強風
  が飛沫を運んでくる。
  灯台は閉鎖され入り口前は波飛沫で溜まった潮水で歩け
  ない。

  岩礁の淵に打ち当たり高くあがり砕け散る波濤。
  岩陰に身を隠しカメラにはタオルを巻き付け、幾度もレンズ
  にかかる飛沫を拭き取りながら撮影する。


   
残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)

 

残波の波(7)

  風向きがやや変わり弱くなった。



残波の波(7)


  背後の灯台を見上げると雲がきれいな構図をつくっていた。
  波飛沫は止んでいる。  
  灯台西側の岩場を出て断崖の方に移動する。  



残波の波(7)

  展望台前の柵に囲まれた場所から灯台側を撮る。
  この場所は断崖絶壁が海側に突出ているため波飛沫に襲
  わわれることなく撮影できる。

  風は強い。吹き倒されそうになったりする。樹の柵にカメラ
  を固定し杭に体をしっかりと寄せ脚を踏ん張る。
  観光客もいる。場所を独占できないので位置を譲る。


残波の波(7)



残波の波(7)

  波飛沫の煙が滝のように断崖を吹き上がる。 
  連続シャッターでないと難しい。


残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)

  断崖の高さは約20mほど(灯台西側は約3m)。万座毛と
  同じ琉球石灰岩の海食崖。
  公園部分の断崖は1kmほどで、さらにその先東側の集落
  の方に断崖は続いている。 


   
残波の波(7)

  断崖側の散策路は飛沫が降りかかり濡れないで歩くのは困難。 
  陸地内側の散策路からさらに東側に向かう。風が弱まり少し晴
  れ間が広がった。つかの間の穏やかな風景になった。


残波の波(7)

  平和祈願の碑のある場所から。
  この場所も波飛沫を被る心配はない。断崖の全体が展望
   できる場所。灯台は遠く小さくなるので望遠をレンズ最大に
   する。

  雲が多くなり灰色がかった空模様になった。
  碑の台座を強風よけにして日没までおおよそ3時間。
  レンズを覗き続けシャターを押し続ける。



残波の波(7)
   
  画面左手の展望台に二つの人影が見える。突然断 
  崖の上に舞い上がってきた波飛沫からおそらく逃げ
  ることはできなかったのではないか。


残波の波(7)

  太陽は雲に隠れたり現れたり。
  素晴らしい波の時に太陽は雲の中だ。


残波の波(7)



残波の波(7)

  画面左手の断崖の柵のある場所は波しぶきを被ることが
  ない。船の舳先のように飛沫は左右に分かれて飛ぶ。


残波の波(7)

  雲の切れ間から陽光が射し波しぶきが美しく輝く。


残波の波(7)

  断崖の直下の荒々しくうねり寄せる波。


残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)



残波の波(7)

  どこからか5~6羽の鳥が現れた。勇敢に向かい風に
  乗ってしばらく飛んでいたが、大きく旋回をして飛び去
  っていった。



残波の波(7)



残波の波(7)


  日没はまだだが5時を過ぎると辺りはうす暗くなり、やがて
  灯台にも灯りがついた。
  風がさらに強くなり立っているのは困難になった。鼻水が
  流れ体が冷えてきているのに気が付く。そろそろ帰るべき
  頃だ。

  興奮と感動の1日が終わった。
  伸びた草木をかき分け散策路に出る。遠くで灯台の灯りが
  ゆっくりと回転し見え隠れする。





    塔守リュンコイスの歌   
              
                     (ゲーテ『ファースト』より)

   見るために生まれ
  見張ることを任され
  この塔に誓いをたてながら
  俺はこの世が気に入っている

   俺は遠くを覗き  
  俺は近くを眺める
  月やら星やら
  森やら鹿やらを

   そうやって万物中に俺は見る
  永遠の輝きを
  そしてなんとそいつは楽しいことだ
  それに俺は俺自身のことも気に入っている

  お前たち 幸せな両目よ
  今までお前たちが見てきたものは
  たとえ何であれ
  とても美しかったのだ!  


残波の波(7)

    
 
    
  



  




Posted by 流れる雲 at 14:00│Comments(0)
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