残波の波(12)
残波岬の断崖は2キロにわたる。
そのうち1キロほどは断崖の端を歩きながら波の
いい光景を探し撮ることができる。
目当ての場所にいい波が立たないときは、断崖
の端を草や低木を踏みわけ歩きながら撮りたい
波を見る。
砕けた波の泡が広がり描く模様が美しい。
海底の礁淵に当たり波は逆巻く。
波頭の飛沫のうえに虹が出た。
風が強くない日は崖の上で立って撮れるのがいい。
心地よい風に吹かれ波音とシャター音を聞きながら
ひたすら波を撮る。
西日がお前の姿だと黒い影を見せてくれる。
いちにち物いわず波音 (山頭火)
残波岬灯台。
北西の空に形のいい雲が浮んでいるときは
いい絵の構図がつくれる岩場がある。
そこに下りて灯台や岩場から観光客がいな
くなるのを待ち、空を仰ぎ雲の変化を見なが
ら撮る。
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